[ Sleep ]



青い空に、優しい風の吹く丘。
三蔵一行は、ここで昼食をとっていた。



「っふぁ…。」



樹の幹に凭れて食後の一休みをしていると、  が欠伸をした。
それが悟空・悟浄へとうつっていく。



「眠いんですか、  ?」

「ん…食べた後って眠くなっちゃうよね。」



もう片足は夢の世界へと入ってしまっている。
八戒がクスリと笑って  の頭を自分の方に引き寄せた。



「八戒…?」

「少しだけ、眠ってもいいですよ。」

「あり…がと…。」




風が吹く度に  の柔らかい髪が風に踊っている。
の隣では、悟空が大の字で寝ていた。


悟浄は、八戒の隣で寝ていて時折、触覚が動いている。
三蔵はジープにもたれて、新聞を読んでいた。
その隣では、三蔵に凭れつつ誰より先に寝ていたが。
もまた八戒と同様に運転で疲れているのだろう。
元の世界では毎日長距離を運転する必要はなかったのだから。




「時間って…。」

「??」

「こんなに、ゆっくりでしたっけ?」

「・・・さぁな。」



微かに笑うように目を細め、優しいまなざしでを見つめている。

この男はこういう人間だっただろうか、と時の変化に少なからずとも安心と驚きをおぼえた。

ざぁ…っと風が草を撫でるように渡る様は、時間の穏やかさを象徴しているようだった。
肩のところでは  の規則正しい呼吸が聞こえている。

「こんな風にゆっくり出来るのはいつまででしょうか。」

「さぁな。」

バサッっと新聞を捲る音が大きく聞こえた。

「いつまででしょうね…。」


愛しているが隣にいても、こんなに時間が優しいと感じたのは何時以来だろう?
隣で眠っているの顔を見て、八戒は満たされた気持ちになった。



「…さて、風が少し冷たくなってきましたから眠り姫と園児を起こすとしますか。」

幸せそうに眠っている達を起こすのはしのびないが、仕方ない。

「ほら、皆さん。起きてください。風邪ひいても僕は看病なんてしませんよ?以外。」

「ん〜…。八戒、それって贔屓じゃんか!」

「ンだよ…。惚気やがって…。」

あっさりと贔屓宣言をした八戒に異議を唱える悟空と悟浄だが、黙殺は当然。


「っ〜ん。ふぁ…ぅ。じゃぁ、私の看病は三蔵がしてくれるのかしら?そしたら風邪も悪くはないかもねw」

ぐっと身体を伸ばしながら三蔵を見やると、タバコに火をつけて煙をはきだしていた。

「勝手な事ぬかしてんじゃねぇよ。くだらねぇ事いってねぇでさっさと車に乗れ。」

やれやれ、という風に肩を竦めて と目が合う。

三蔵を変えたのはで、僕を変えたのはだ。

そうしてずっと時をすごしていくんだろう。
西に向かって走るために。 









::::::::::::::::::::::::::::::::::::::言い訳::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

すみませんでした!
夢じゃないっすね(;一_一)
なんか、八戒がただ惚気てるだけで、ヒロイン達寝てるし!!
それでも読んでくれたさんには感謝いっぱいです(*^^)vありがとございますv